スタートアップ企業紹介 コラブジャパン(Collab Japan)株式会社

コラブジャパン(Collab Japan)株式会社
代表取締役 アレン・リーさん

日本は世界規模で見ても力強いマーケット。
以前から大きな魅力を感じていました。

まずは事業内容についてご説明いただけますか?

コラブアジアは韓国・中国・インドネシア・フィリピン・日本にオフィスを構えるグローバルコンテンツスタジオです。
管理するYouTubeチャンネルの月間再生回数は、約20億回にもなります。また、YouTube公認企業であるMCN(マルチチャンネルネットワーク)として、合計1300を超えるインフルエンサー、レコードレーベル、アニメ会社およびメディア会社とパートナーシップを締結し、ソーシャルメディアの運営、IPのデジタルライツ管理、そして海外へのコンテンツ発信を行なっています。日本法人であるコラブジャパンの最大のミッションは、コンテンツホルダーの収益の最大化を図ることで、そのためにコンテンツを海外に発信したり、パートナーの成長をサポートすることに注力しています。

コラブジャパンの設立は2017年ですが、ロサンゼルスで2014年からYouTuberなど日本のクリエイターのサポートを行っていたようですね。
日本の市場やクリエイターに、魅力は感じられていますか?

日本は世界規模で見ても力強いマーケットを有する国です。市場規模も大きいですし、特に音楽、アニメ、映画など、コンテンツ力が元々強い国です。そういった部分で以前から大きな魅力を感じていましたし、そのコンテンツ力がソーシャルネットワークにも影響を増しているところも魅力的でした。個人的にも私は韓国系アメリカ人で、子どもの頃からアメリカで多くの日本のコンテンツに触れてきました。特にアニメ、中でもマクロスには夢中になりましたね(笑)。

アジア地域の可能性、ポテンシャルはどうお考えですか?

YouTube公認企業であるMCNがコラブのビジネスモデルなのですが、MCNでビジネスをする限りは、そのビジネスはYouTubeの中だけに収まってしまいます。ところが、アジアに目を向けて見ると、ソーシャルネットワーク、NetflixやHuluなどの映像ストリーミング配信、テレビもそうですが、YouTubeからそうしたメディアにコンテンツが広がりを見せていますし、かつ成長も遂げています。そうした部分にアジアのポテンシャルというものを感じています。

日本のMCNでもUUUM(ウーム)などは膨大なYouTubeチャンネルをマネジメントしていますが、コラブジャパンとしては今後、こうしたチャンネル数の増加を積極的に行う予定ですか?

コラブジャパンではクリエイターの数を増やすよりも、アセットという言い方をしていますが、例えば音楽やショートクリップなど、保有するコンテンツのライブラリを拡大していきたいと考えています。UUUM(ウーム)さんの日本での活動はもちろんリスペクトしていますが、コラブはグローバルに展開する企業ですので、差別化を図るために、そういったコンテンツに目を向けて、アジア全体のYouTubeとは違うメディアに発信することを積極的に行いたいと思っています。

コラブジャパンの最大のストロングポイントは、コンテンツのライブラリにあるのですね。

日本の大手MCN企業では ブランド取引、提携をメインにビジネスを行っているので、そのためにもクリエイターの数をそろえる必要があります。コラブジャパンではそうした企業案件をメインには考えていません。コンテンツライブラリを拡大することによって、そのコンテンツから新しいコンテンツが生み出されることもありますし、クリエイターのコンテンツだったり、アマチュアの方が作られたショートクリップだったり、レコードレーベルさんが持っている音楽だったり、そういったものを管理することに注力していくつもりです。

アメリカのコラブのモットーは「クリエイターファースト」ですね。
これはアジアでも変わりませんか?

「クリエイターファースト」はコラブアジアでも継承すべき想いです。ただ、アジアのそれぞれの国には異なる文化がありますから、「クリエイターファースト」とともに、「コミュニティファースト」がとても大切になってくると思います。このことを常に念頭に置いてビジネスを行う必要がありますね。

日本ではMCNの存在を知らない方も多いのですが、
YouTubeクリエイターがMCNを利用するメリットを教えていただけますか?

クリエイターがMCNを利用する一番のメリットは、収益の流れを増やせる点にあります。コラブジャパンのパートナーには、この収益の流れが4つあります。まずはGoogle AdSenseの広告。コラブはYouTube公認企業ですから、特別な広告を入れられたり、単価を上げることができます。2つ目がDRM(Digital Rights Management)。著作権の管理を行い、無断転載からの収益をクリエイターに分配します。3つ目がコンテンツの海外発信。日本のコンテンツを海外に発信することによって、YouTube以外のメディアからも広告収入等を得ることができます。最後がブランドからの企業案件。ブランドの商品紹介をクリエイターに依頼し、ここから利益が得ることができます。

日本での事業拡大のためにも、これからさまざまな人材が必要になってくると思いますが、コラブジャパンはどのような方が活躍できる企業でしょうか?

YouTubeに限らず、ソーシャルメディア全般について情熱を持った人が必要で、そうした熱意のある人が活躍できる環境です。海外の方であれば、ビジネスレベルの日本語を話すことも必要ですし、日本や海外のコンテンツに興味があり、積極的に物事を考え、不安定かつダイナミックで成長の早い環境で活躍できる人材を求めています。グローバルなマインドセットを持ち、多文化的で多様な開かれた環境で働く覚悟がある方に来ていただきたいですね。

事務所にコワーキングスペースのfabbit大手町を利用されています。
ここを利用される理由は?

元々、シェアオフィスを探していたのですが、fabbit大手町を選んだ最大の理由は、東京駅からすぐという立地の良さです。そして、施設が充実してスタッフの働きやすい環境であると感じましたし、なによりも綺麗で見栄えの良いオフィスが魅力的でした。コラブジャパンはアメリカから来たスタートアップですし、クライアントから見られたときに、恥ずかしいオフィスではないことが重要でした。また、スタートアップは事業の拡大とともにスタッフの拡充が必要になりますから、そうしたことにすぐに対応できるスペースということも、fabbit大手町を選んだ理由になります。他のアジアの事務所の多くもシェアオフィスを利用していますが、fabbit大手町は本当に使い勝手の良いオフィスですよ。

日本のスタートアップ環境もようやく改善が進んできた印象はあるのですが、
変化は感じられていますか?

間違いなく良くなっていると感じます。大手企業に話に行った際も、メディア担当の方にこちらの意図がしっかり伝わるようになりました。以前は理解してもらうまでに相当な時間がかかりましたから、大企業側の意識がずいぶん前進していると思いますね。表現が難しいのですが、ビジネスが洗練してきた印象です。

fabbitでは経営勉強セミナー、交流会イベント、ベンチャーキャピタル、投資家との個別相談会など、さまざまなスタートアップ支援を行っています。
こうした取り組みは評価できますか?

もちろんです。イベントも多く開催されていますし、参加すればスタートアップにとっては貴重な人脈を増やす機会になります。私自身は日本語の問題もあって参加した回数は少ないのですが、それでも多くの名刺交換をさせてもらいました。fabbit入居企業であれば、セミナーやイベントを積極的に活用しないともったいないですね。

fabbitでは入居企業の人材募集もサポートする予定ですが、
活用することは考えられていますか?

費用面や成果次第ですが、活用したいですね。第一のターゲットになるのは、やはり若い方。幅広い職種の人材が必要ではあるのですが、大きく分類すると3つになります。まずは動画制作に精通する人材、2つ目はクリエイターと密に連絡を取り合えるマネージャー、最後が企業への営業を行う法人営業スタッフ。3つの職種を支える人材も必要ですし、即戦力の中途採用や、人事などではシニアスタッフの活用も行うつもりです。

最後に、起業を目指している方、起業したばかりの方に、
起業の先輩としてメッセージをいただけないでしょうか?

一番大事なことは、人間同士の関係性です。人と人とのつながりが、後から意味を持ってくることは多いものです。特に若い方に伝えたいのですが、シニアの方ともしっかりつながりをもつべきです。ぜひ、覚えておいてください。