スタートアップ企業紹介 Trusted
株式会社

Trusted株式会社
代表取締役 アビドヴァ・ファリザさん

今の時代はインターネットがつながれば、
ビジネスはどこでだってできます。

ウズベキスタンのご出身とお聞きしています。早い時期から、海外に出ようと考えていたのですか?

小中学生のときにアメリカ人の先生に出会ったことが大きなきっかけになりました。当時は英語も話せず、短い時間のレッスンでしたが、グローバルな人とコミュニケーションを取れることにすごく刺激を受けて、以来、12歳のときからずっと外国に住みたい、外国で働きたいと切望していました。

サマルカンド国立外国語大学では、英語・日本語言語学を首席で卒業されたそうですね。
第一外国語が英語で、第二外国語が日本語ですか?

はい。父がサムライとかニンジャとか日本の映画が好きで、その影響で私自身も6歳の頃から日本に強い興味を持っていました。ただ、大学に入るまでは日本についての情報がほとんどなくて、ようやく大学2年のときに日本語を学ぶことができました。

その後、文部科学省(MEXT)主催の奨学金プログラムを活用され、神戸大学留学生センターに留学されています。英語圏の奨学金プログラムの利用は考えられなかったのですか?

大学には英語の上手な人がたくさんいましたし、英語圏の奨学金プログラムの競争率はすごく高かったことも理由の1つです。MEXTに注目した人たちの中には、漢字を見て諦める人もいました。私は一文字で物事を表現できる漢字がとても好きで、サマルカンド大学では書道と生け花も習っていました。日本の物価を考えると、ウズベキスタンの普通の家庭で留学費用はとても出せません。MEXTの奨学金プログラムを得るために、必死に勉強しました。

念願かなって神戸大学で学ぶ機会を得たわけですが、
日本の大学や学生の印象はいかがでしたか?

日本の大学で学ぶわけですから、多くの日本人学生と交流するイメージを持ちました。ところが、いざ大学に通い始めると留学生は留学生同士、日本人は日本人同士でグループができていて、日本人学生と交流する機会が非常に少なかったです。これには驚きましたが、同時にその原因が言語の問題なのか、それとも文化の違いなのか、調べてみたいと思いました。

日本人の学生も、英語が話せない人たちばかりではないと思うのですが。

はい。英語を話せるのに、外国人に話しかけるのが恥ずかしいとか、留学生同士のグループに入ると邪魔じゃないかと遠慮していたようです。相手のことを思いやる心は日本の素晴らしい文化ですが、その文化を理解していない相手に対しては誤解を生む可能性もあります。

学生だけではなく、海外で働く日本人、日本で働く外国人ともに職場でストレスを抱える人が少なくないと聞きます。こうした職場でも文化の違いによる誤解が生まれているのでしょうね。

私が日本で最初に作ったSOPHYS株式会社で、私は海外で働く200人の日本人マネージャー、日本で働く500人の外国人スタッフにインタビューとアンケート調査を行っています。多くの誤解、ミスコミュニケーションを調査すると、実は相手のことを気遣った行動が、理解されずに誤解されてしまったケースが非常に多いことが分かりました。

日本人側の配慮や遠慮だけが原因ではないのですね。

はい。会社のためにアイデアを出したいと意欲的に行動した結果、余計な仕事を増やして周囲を困惑させる外国人スタッフも少なくありません。そうした文化的なコミュニケーションの訓練の必要性を感じてSOPHYS株式会社を立ち上げ、8年間で多くの大手企業向けにグローバル人材の研修を実施しました。この試みはビジネスとして成功しましたが、スケールできなくなってしまった。私はいつもグローバルレベルの仕事がしたいと思っており、このままではそれは難しいと判断したので、新たにTrusted株式会社を立ち上げました。

Trusted株式会社について、もう少し詳しく教えていただけますか。

Trustedでは、オンラインB2Bプラットフォームを利用した、国内の大手企業および海外のVC、アクセラレーターと、国内外のスタートアップの連携によるパートナーシップや資本提携、M&A等による事業開発を促進する支援業務を行っています。日本の大手企業の新規事業開発部門とコミュニケーションを図ることが多く、そうした部門は全世界からイノベーティブなテクノロジーを探してきて、新しいビジネスモデルで新しいマーケットに進出することや、すでに持っている技術を違う分野で生かすことを考えています。そうしたニーズとソリューションを持つ企業がお互いをサーチして、担当者同士が直接、実用的なコミュニケーションを図ることを可能にしました。

グローバル事業開発人材に求められるスキルとはなんでしょう?

グルーバル事業開発の担当者には、ジェネラルな異文化理解に加えて、プロジェクトに特化したスペシャリストとしてのスキルが必要になります。たとえば海外のスタートアップに投資ができるスキル、スタートアップのバリエーションを計算できたり、ネゴシエーションの能力もそうですね。事業開発ができる人材には高いニーズがありますが、実際にこのような育成プログラムを提供できているところは少ないと思います。

シェアオフィスと言えば、Trusted株式会社もコワーキングスペースのfabbit大手町を利用されていますが、fabbitを選ばれた理由はありますか?

まずはロケーションの良さです。Trustedではメガバンクやオフィス・プロバイダー企業、さらにそれらの企業にとってのクライアント企業とのやり取りが多く、それらが丸の内エリアにあるので、アクセスの良さは最高です。他のシェアオフィスに比べて費用がとてもリーズナブルですし、それでいてとてもお洒落です。クライアントをオフィスに呼んだときによい印象を与えています。オフィスを見たいというクライアントも多く、来社してもらうことで移動の時間を節約できることも魅力ですね。

fabbitでは入居企業の人材募集についてのサポートも行う予定ですが、
活用は考えられていますか?

スタートアップにとって、良い人材と巡り合うことは一番大変なことですから、もちろん活用したいです。たくさんの登録企業を素早く検索するために、Trustedが今、一番力を入れているのがサーチエンジンの強化です。そのためにプログラマーの採用を考えています。また、ビッグデータアナリティクスもメイン業務になってくるので、データサイエンティストも必要になってきます。セールスについてはあまり考えていませんが、マーケティング、ブランディング、プログラマーといったスペシャリストが採用できれば嬉しいです。

最後に、これから起業を目指している方、スタートラインについたばかりの方たちへ、
起業の先輩からメッセージ、アドバイスをいただけないでしょうか。

最初のプランニングの時点でリスクを考える人がとても多いと感じますが、今の時代はインターネットがつながれば、クロス・ボーダーのさまざまなビジネスチャンスを見つけることができます。なにか良いアイデアがあれば、すぐにスタートして、リスクマネージメントは途中からでいい。これはスタートしてみないと分かりません。特に学生なら失うものはなにもないはずですから、勉強になることが多いと思います。私もまだスタートしたばかりです。ともに頑張りましょう!